「浜の道具箱」とは

「浜の道具箱」

下図は、海の中で魚が生まれて、親へと成長し、卵を産むサイクル (資源の再生産) から、魚を漁獲し (漁業生産)、市場・加工工場・小売店 (加工・流通) を経て、食卓に上がり消費されるまでの「段階」を模式的にあらわしたものです。 沿岸漁業管理では、それぞれの「段階」で改善のためのさまざまな「工夫」ができます。

しかしながら、地域の漁業が直面している課題とその改善策は「津々浦々」で異なります。 そのため、地域にとって本当に必要な改善策を関係者間で議論することがたいせつです。



浜の道具箱とは、日本各地のさまざまな沿岸漁業に対して、「地域が直面している課題は何か」、「どのような工夫ができるのか」、「どんな効果が期待できるのか」、「具体事例はどこにあるのか」を検討・整理するための仕組みです。

道具箱の効果

○漁業生産現場において

  • 組合、部会、研究会などで、地域の取り組みを自己評価する「ものさし」として活用できます。
  • 現場の課題への対処法を具体的に検討する際に、地域でできそうなこと、参考になりそうなことを先行事例から学ぶための「事例集」としても活用できます。

○普及指導業務において

  • 現場関係者と一緒に考え、議論を始めていくためのきっかけとなります。
  • グループ (年代、漁具漁法、地域など) による問題意識の違いや、優先順位などを把握できます。
  • 「資源管理計画」や「浜の活力再生プラン」の立案・更新にも役立ちます。
  • 浜の道具箱を用いた自己評価の結果は、現在の課題やこれまでの取り組みを、後任に伝えるための引き継ぎ資料としても活用できます。

漁業者との座談会

  • 浜の道具箱は、座談会や研修会などのさまざまな場面で関係者間の意見共有を促進させ、議論を活発化させるツールとして活用できます。
  • これまでに多くの参加者から、「いろいろな情報を聞くことができて、やる気につながる」という意見をいただいています。
  • 参加者のみなさんからご意見をいただけたことで、「浜の道具箱」を開発し、改善することができました。ありがとうございました!

A湾 小型底びき網漁業(2014年6月)
B海域 鉾つき漁業(2014年12月)

浜プラン改善(2017〜2018年)



最終更新日:2021年3月23日