水産調査報告
農商務省, 1893-1908(明治26-41)年, 1-14巻
明治26年、農商務省内に水産調査所が新設され、そこで調査研究された報告書です。
「水産調査所官制」には、調査の事項として、一 水産動植物の調査、二 漁具漁船及漁法の調査、三 漁場の調査、四 水産物の繁殖製造及漁撈の試験、五 製塩の調査及試験、六 水産物販路の調査、七 漁業経済及統計の調査、八 水産に関する慣行の調査、がありました。『明治二十六年度上半期水産調査成蹟摘要報告』によると、幾つかの調査は『水産調査豫察報告』(農商務省, 明治22-26年)をもとに本調査への準備をしていた仮試験所から引き継いでいるとあり、ある程度は豫察調査がベースとなっているようですが、「水産調査所官制」には豫察調査との関係は書かれていないため、これを『水産調査豫察報告』を継承した本調査とみるかみないかはさらなる調査が必要と思われます。 なお、『東京湾漁場図:漁場調査報告第五十二版』(1908(明治41)年)の漁場の解説にあたるものが、第7巻第2冊「漁場調査第一報」、第8巻第2冊「漁場調査第二報」、第9巻第1冊「漁場調査第三報」にあります。 ●参考文献 『大日本水産史』片山房吉著 農業と水産社 昭和12年刊 『水産二十年史』水産新報社 1932年刊 『明治二十六年度上半期水産調査成蹟摘要報告』農商務省 『大日本水産会報 第130号』大日本水産会 明治26年4月刊 |