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東京湾漁場図 :漁場調査報告 第五十二版
[1900(明治33)年] 108×69cm 地図資料1枚
【東京湾漁場図について】
 『水産調査報告第八巻第二冊:漁場調査報告第ニ報(東京湾漁場調査報告後編ノ二)』(農商務省, 1900)の附属資料と思われる図版です。明治漁業法(1909年)による漁業権が確定する前に作成されたものなので、漁業権の区画は記されていません。たくさんの根や瀬や藻場が記されています。
 『水産調査報告』の第7巻第2冊、第8巻第2冊、第9巻第1冊は、金田歸逸、熊木治平による『東京湾漁場調査報告』が書かれています。この報告の中の「漁場誌」に掲載されている漁場名と『東京湾漁場図』に記された漁場名は一致しており、各漁場の解説を「漁場誌」で知ることができます。また。副題になっている「漁場調査報告第五十二版」の「第五十二版」とは、金田らの『東京湾漁場調査報告後編ノ二』(『水産調査報告』第8巻第2冊)に綴じ込まれた図版に振られた通し番号が第五十一版で終わっていることから、それに続く通し番号と考えられます。

【当館所蔵資料について】
 当館では「東京湾漁場図」を2枚所蔵していますが、紙の大きさが若干異なります。2枚とも「農商務省認可 泉水宗助」の印刷はありません。1枚は『水産調査報告』とともに伝来し、もう1枚(デジタルアーカイブに掲載している「東京湾漁場図」)は織田完之の蔵書印があり単体で伝来しています。
 桜田勝徳「東京湾の海藻をめぐって」(「日本水産史」日本常民文化研究所編, 1957年所収)によると、明治41(1908)年に千葉県君津郡真舟村櫻井の泉水宗助が、農商務省の認可を受けて東京湾漁場図を発行したとあります。泉水宗助の「東京湾漁場図」には図版の右下に「農商務省認可 印刷兼発行者 千葉県君津郡真舟村桜井*** 泉水宗助」、欄外に「明治四十一年 月 日発行 仝年 月 日発行」が印刷されており、当館所蔵のものとは作成の経緯が異なるようです。

  参考:「東京湾漁場図」泉水宗助編
   http://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/archives/document/5710
    (横須賀市自然・人文博物館資料データベース)

お知らせ:
平成29年10月6日に資料の説明文を更新しました。
更新前の書誌情報・解説では明治41年泉水宗助作成としていました。平成29年10月6日以前に引用・リンクされた方にはご迷惑をお掛け致しますが、画像に変更はございませんので、ご了承ください。
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