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1. 要 旨
東シナ海を産卵場とするマアジ仔稚魚の太平洋側沿岸域までの輸送過程を明らかにすることを目的として、その通過点となる九州南方海域において2000~2003年に蒼鷹丸により計6回の15km間隔のLADCP/CTDグリッド観測を実施した。これらの調査により得られた流速・水温・塩分データを解析し、九州南方海域における表層流速場の変動を明らかにした。方法としては、調査海域のすぐ南に位置する中之島の潮位変動において卓越する20~30日周期変動に着目し、6回の観測結果をこの20~30日周期変動の位相との対応で順に並べ、その変化について調べた。その結果、黒潮前線波動の東方への伝搬に伴い中之島潮位が変動していること、前線波動の峰が中之島付近を通過し中之島の高潮位になるのに伴い、屋久島西方の黒潮前線域において低気圧性渦が発達し、同時に暖水舌および大隅海峡の流れが形成されていることなどが明らかになった。 |
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