水産研究所間の連携・調整に関連して

林  小八

 中央水産研究所長は、水産研究所間の研究の具体的内容に係わる事項に関して連携・調整を行う責任者 であり、その事務を円滑に推進するために水産業関係試験研究推進会議を開催するとされています。この会 議では、(1)重要研究課題(素材)の企画、(2)調査手法、研究手報の調整、(3)研究成果の総合的、体系的取 りまとめ、(4)研究のレビュー、(5)その他研究の具体的内容に関することの5つの事項について協議するこ とになっています。水産研究官は、この会議の事務局的な役割を担っており、それらの協議事項に関して日 常的に分析研究を行い、この会議に反映させることになっています。
 昨年度の推進会議では、10課題の平成9年度向けプロジェクト研究課題化素材を検討した結果、重要素 材として3素材を水産庁研究課に提出しました。
 また、昨年の推進会議を踏まえて水産庁研究所長間の協議により平成10年度以降の重要素材として、
1)水系からみた農林水産生態系の機能の解明と制御技術の開発による生物と生態の持続的利用のための総 合研究
2)有毒プランクトンの発生予察の開発と貝毒の減毒化技術の開発に関する研究の2素材について、水産研究官を 中心に練り上げを行うことが決められました。
1)の素材に関しては、関連するシンポジュウムや文献等から情報の収集を行っています。2)に関しては 、これまで2回の専門家との意見交換や文献等レビューを行いましたが、2素材とも一層の練り上げを図っ ています。そのほか、推進会議の協議事項にしたがい、各分野ごとに関連する諸問題について分析と整理を 行っているところです。これらの分析の積み上げは、推進会議の検討を踏まえてプロジェクト研究課題化素 材や共同研究素材として発展していくことになります。
 水産研究官が行う分析には、各水産庁研究所からの情報が必要ですが、研究情報等の発信・収集の仕組み については、「水産研究に関する研究情報等について」で記したように、 原則として四半期毎に行い、水産研究官の分析結果は、その都度、各水産庁研究所に回報するようになって います。そこで中央水研ニュースにも、各期毎に整理した分析結果を掲載し、水産庁研究所及び研究分野間 の情報のやりとりを示すことを考えています。
(水産研究官)