【情報の発信と交流】

水産研究に関する研究情報等について

林  小八
 水産研究所は海区毎に配置され、地域の中核的研究機関として研究、調整、情報発信・交流及び研修・指導各機能を発揮することを求められている。これらの機能を発揮するための背景となる最近の水産業を巡る 情勢は、国連海洋法条約、生物多様性条約の発効等により国際的な問題や栽培漁業のあり方、漁場環境の保全等への対応などで大きな転換期を迎えている。
 このような情勢にあって水産庁研究所における研究を効率よく推進するためには、研究のニーズ・シーズ等研究情報を迅速かつ的確に収集し、各研究所及び分野間の連携・調整を図ることが必要である。
 中央水産研究所長は、平成元年施行された水産庁長官通達によって、海区水産研究所が実施する研究の具体的内容に係わる連携・調整を全国的視点から的確に行うための責任者と位置づけられ、それらの事務を円 滑に行うため水産業関係試験研究推進会議を開催することとされている。このため、水産研究官は、この会議において協議される事項に関する分析研究を日常的に行い、さらに、会議の構成者は、これらの分析研究 に必要な情報等の収集に協力する旨定められている。そこで水産庁研究部とも協議し、今後の水産研究に関する研究情報等の発信・収集について次のようにに定めたので、紹介する。
 なお、収集した研究情報については、本号の8ページに示されている中央水産研究所の「海区共通基盤的研究」と相互に関係している。
 また、平成8年5月27日付け、8中水研553号において、水産研究所に対し所要の情報提供の協力を要請するとともに、養殖研究所及び水産工学研究所には専門分野における情報提供の協力をお願いした。
(水産研究官)

水産研究に関する情報等について

 中央水産研究所所長は、研究のニーズ・シーズ等研究情報を迅速かつ的確に収集し、各研究所及び分野間の連携調整を図るため、水産業関係試験研究推進会議(以下、「推進会議」という。)の運営に資するための研究情報収集等を以下により行うものとする

第1 推進会議運営要領第3に定められた事項に関して、水産研究官による分析研究が的確に行われるように原則として四半期毎に各研究所から研究のニーズ・シーズ等研究情報提供を求める。

第2 行政あるいは研究的見地から試験研究機関として緊急に対応すべき事項が発生した場合、随時、各研究所から試験研究に関連する情報を求める。

第3 第1及び第2により提供された情報を以下の通り整理し、その結果を各研究所長に回報する。
(1)推進会議において連携・調整を要する事項
(2)中央水産研究所において行うべき海区共通基盤的事項
(3)特定の専門分野あるいは海区水研で対応すべき事項
(4)その他

第4 第1及び第3の(1)に関する水産研究官による分析結果を、その都度、各研究所長に回報する。
第3の(2)の事項については、別途「海区共通基盤的研究の実施について(平成8年5月27日付け、8中水研第554号)」に基づき対応する。

第5 上記に関するフロー図は、別添図に示したとおりである。