■ 研究紹介 中央水研だよりNo.2(2006. 平成18年3月発行)掲載
シーボルトが持ち帰った淡水魚-学名の復活と新和名- 岡崎登志夫(水産遺伝子解析センター) A freshwater fish taken home by Dr. P.F. Siebold  - Redescription and a new Japanese name - Toshio Okazaki  (Aquatic Genomics Research Center)


要 旨
要 旨
 江戸時代に日本に滞在していたシーボルトが1830年に持ち帰ったコレクションの中には750点の魚類標本が含まれていました。これに基づいて新種として記載された淡水魚の中に、他の魚種と酷似していたためその後日本では存在が忘れられてしまっていた魚がありました。ポピュラーな魚でありながら研究者でさえも2種類いることを見過ごしていたのです。これに気づいたのは高校で生物を教える先生でした。彼の観察力と情熱がその学名の復活に結びつき、「ヌマムツ」という新しい和名がつけられるに至りました。ふとした偶然で私自身もこれに関わることになりました。170年以上前にオランダに渡って命名された淡水魚の数奇な軌跡を紹介します。
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