すり身化技術と魚肉タンパク質の冷凍変性

 魚肉を冷凍すると条件によっては肉質がパサパサとなり味も悪くなります。これは、魚肉の主成分のタンパク質が冷凍によって変化するためです。スケトウダラは、特に冷凍によってタンパク質が変性しやすい魚ですが、スケトウダラの肉を水で洗い(これを「水さらし」といいます)、糖類などの変性防止剤を混合して「冷凍すり身」にすることによって、冷凍状態でも長期間保存できるようになりました。
 日本で開発されたこの冷凍すり身化技術は、このような魚肉タンパク質の冷凍変性防止技術を実用化したという点で非常に画期的な技術といえます。現在ではスケトウダラばかりではなく、世界各地で獲れる各種の魚から「冷凍すり身」が製造されています。
 タンパク質の冷凍変性の機構についてはいろいろな説がありますが、タンパク質と結合している水分子が冷凍中にタンパク質から離れる現象が大きく関係しています。すり身に加える糖類などはタンパク質から水分子が離れることを防ぎタンパク質を安定化するといわれています。
問い合わせは加工までお願いします
(メールアドレスは不定期に変更されます)

「中央水産研究所日本語ホームページ」へ

「水産物の利用・加工」へ

「おさかな豆知識」へ