マグロ肉色の保持と凍結技術

 マグロの刺し身は、鮮やかな赤い肉色でなければなりません。昭和30年代、漁船の大型化と漁場の遠隔化のため、それまで氷蔵で済んでいた赤身のマグロ類も凍結されるようになりましたが、凍結氷蔵中に肉色が褐色になることが問題でした。この褐色化は、肉色素のミオグロビンが酸素と結合してメトミオグロビンに変わるために起こるもので(これをメト化といいます)、これを防ぐために、当時採用されていた−20℃での貯蔵より更に低温の−35℃以下での貯蔵が必要であることが判りました。
 この研究成果に基づき船上での急速凍結・超低温システム(現在は、約−60℃)が開発され、昭和40年頃からこぞって設備投資が行われ、長期の遠洋航海でも安定した肉色のマグロを供給できるようになりました。


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