刺し身を中心にしたマグロの生食利用の普及は、漁獲されたマグロを船上で短時間にマイナス60℃に凍結する超低温冷凍技術の発達に大きく支えられています。また、スーパー等の小売店舗で刺し身用パックが簡単に入手できるようになったことも、調理の簡便化指向とあいまって、マグロの家庭内消費が伸びた重要な要因です。最近では、「ねぎとろ」の加工済パックが人気商品の一つとなっています。
一方、主にビンナガやキハダから作られたマグロ缶詰もサラダやサンドイッチの材料として世界的に根強い需要を保持する定番商品です。さらに、缶詰製造時に利用されない血合肉の部分はペットフード缶、頭や尾の部分は、ミール製造に向けられます。
刺し身の全国的な普及には、低温流通機構(コールドチェーン)の発達が寄与しています。
まだ、コールドチェーンがなかった昭和30年代頃のマグロの利用状況をみると、魚肉ソーセージとしての利用が一定の比率を占め、最近の鮮魚利用の大きさと対照的です。
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