アルギン酸の利用

 アルギン酸が優れた食物繊維であり、また独特の物性や高い保湿性をもつことから、コンブなどの褐藻類からナトリウム塩として工業的に生産され、種々の加工食品に広く利用されています。例えば乳化・分散の安定剤(プディング、シャーベット、アイスクリームなど)、また増粘・食感改良(ドレッシング、ソースなど)として、食品への用途は様々です。また、魚の凍結貯蔵中の乾燥による品質劣化を防止するための保護皮膜としても有効です。さらに、口紅などの化粧品の成分として、また食道、胃、十二指腸などの潰瘍治療の皮膜剤、止血剤、縫合糸等として医学的にも利用されています。
 近年では、アルギン酸を紡糸して繊維をつくり、天然パルプ紙と同じ様な繊維間自己接着性の紙を作る方法が開発されました。また、アルギン酸によってつくられたフィルムが、優れた音響効果をもつ素材として、スピーカーコーン紙に利用されている例もあります。
 アルギン酸は、水に溶ける、食べられる、生理活性特性をもつなど、優れた機能性をもつ新素材として、医療、食品、生化学などの分野で今後広く応用されることが期待されています。
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