コンブの加工

 日本のコンブの生産量は乾燥重量で平年約3万トン位で、うち葉売需要が約1万トン、加工需要が約2万トンです。コンブには幾つかの地方的な種類がありますので、それぞれの特性を生かした製品の体裁になっています。
 葉売こんぶは乾燥したコンブの葉がそのまま消費者に渡り、だしや昆布巻に用いられます。製品の種類には元揃こんぶ、折りこんぶ、長切りこんぶなどがあります。
 長切りこんぶは7月中旬から9月上旬にかけて採取した生コンブを根切りをして小石や砂利を敷いた干し場で天日乾燥をします。夜は室内に入れてねかし、水分をならして再び昼間に乾燥します。乾燥後は室内で10日程度放置して色つやが出たところで選別整形し、一定の長さに切り揃えて結束します。元揃いこんぶは根元を10p程切り落とし葉元を揃えて結束します。折りこんぶは乾燥工程の中で折りたたみや巻き延ばしなど行い、折って結束したものです。昆布は温度や湿度の変化で品質に大きな差が出ますので製品化や保存の際には十分注意が払われています。
 コンブの主な加工品には、佃煮、とろろこんぶ、おぼろ、ばってら、塩こんぶなどがあります。
 佃煮はコンブの葉を小さく刻み、醤油、飴、砂糖など調味料とともに煮詰めたものです。
 とろろこんぶは酢で調味したコンブの葉を機械で削り糸状にしたものです。おぼろ・ばってらは厚めのコンブの葉を選んで酢で調味したものを包丁で薄く削ったもので、表面の黒いところは大衆品、中の白いところは高級品で、芯はばってら寿司用に使われます。塩こんぶは葉を適当な大きさに切り、佃煮のように調味して煮詰めた後乾燥して味付けのまぶし粉を付けたものです。
 また、採取時期の早い柔らかいコンブはおでん・早煮え用にされます。他に種々の昆布巻などが惣菜用に開発されています。


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