コレステロールを抑えるタウリンの働き

 かつて、イカ、タコ、エビ、貝などの水産食品は、コレステロールが多いからと敬遠されたことがありました。でも最近では、逆に健康に良い食品として見直されています。  たとえば、最近の医学的な報告によれば、これらの食品を食べても、血中コレステロール値はほとんど上昇しないことがわかっています。これは、「タウリン」というアミノ酸が、体内でコレステロールの蓄積を抑えているためと考えられています。  タウリンは、コレステロールの合成や分解を調節するほか、中性脂肪を減らし、血圧を正常に保ち、インシュリンの分泌を促して糖尿病を予防するなど、さまざまな働きをしていて、健康維持には欠かせません。タウリンは、体の中でも一部合成されますが、食物から摂ることも大切。そこで、タウリンがコレステロールの何倍も含まれている水産食品が見直されてきたのです。日常の食生活に、魚介類をバランス良く取り入れることが、健康維持の秘訣とも言えるでしょう。  イカは、良質のタンパク質と低脂肪の食品ですから、ダイエット指向の方にもピッタリ。コレステロールのとり過ぎを心配して食べないなんて、ナンセンスです。
品目 タウリン
(mg/100g)
コレステロール
(mg/100g)
タウリン/コレステロール比
(倍)
牛肉 48.8 79.4 0.6
豚肉 50.0 61.2 0.8
鶏肉 - 331.4 0.0
スルメイカ 364.1 166.1 2.2
モンゴウイカ 424.9 137.5 3.1
マツイカ 670.9 304.1 2.2
タコ 537.5 96.1 5.6
カキ 1178.1 64.2 18.4
エビ 316.7 125.5 2.5
ブリ 187.2 48.2 3.9
サバ 168.0 61.8 2.7

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