エビの味
エビのエキス中に含まれる化学成分の量や組み合わせが、エビ独特のおいしい味の秘密です。たとえば、アミノ酸のグリシン、アラニン、アルギニン、グルタミン酸、核酸関連化合物のアデニル酸、その他の無機塩類(塩化ナトリウム、リン酸塩)などが、エビ特有の味の構成に重要な役割を果たしていることがわかっています。 図からもわかるように、エビ、カニ類は一般魚類とくらべて遊離アミノ酸含量がはるかに高く、とくに甘味系アミノ酸のグリシンを多く含むことが特徴的。イセエビやクルマエビでは、白身魚の100倍近い量が含まれています。一方、ホッコクアカエビは、エビ類の中では遊離アミノ酸の量も少なく、加熱したものの味は、イセエビやクルマエビには全く及びませんが、生食すると非常においしく、「アマエビ」と称してすし種や刺身として広く賞味されています。これは、ホッコクアカエビに多く含まれる水溶性物質(主に水溶性タンパク質)が「とろみ」を高め、本来の「甘味」をぐっと引き立たせているためです。 このように豊かなうまみを持ったエビですが、味にしつこさがないのは、筋肉に含まれる脂肪が少ないことによります。
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