中央水研トップページ >> 図書資料館 >> デジタルアーカイブ >> アーカイブリスト >> 何羨録
何羨録(2006年撮影Version)
津軽采女, 1723(享保8)年, 118丁, 24cm

 趣味としての釣りが日本で発展をはじめたのは、江戸時代といわれています。最初は武士の間で、しだいに庶民へと浸透し発展しました。
 『何羨録』が書かれたのも江戸時代、享保8年(1723年)でした。陸奥国黒石3代当主 津軽采女の作です。采女が江戸湾でのキス釣りなど遊びの釣りについて記したものでした。上中下の3巻で構成されていて、巻之上では江戸湾でのキスの釣り場についてなど、中之巻では釣具や餌について、下之巻では釣期や気象について、記しています。
 ところで、『何羨録』は現代に伝わる日本最古の釣りの専門書といわれていますが、手書きの書物で版本にはなっておらず、現在確認されているものは当館所蔵を含め6冊のみといわれ、全て写本です。当館所蔵のものは、織田完之翁(明治期の農政史学者)から澁澤敬三が譲り受けた織田完之本です。