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日本水産捕採誌 (第1,2,3,4合本)
農商務省水産局,1910-1911(明治43-44)年,548p(上巻[第1-第3]448p,中巻[第4]100p), 22cm.
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 『日本水産捕採誌』『日本水産製品誌』『日本有用水産誌』を「日本水産誌」と呼びます。明治19年に農商務省水産局が編纂を企画して、調査、執筆、編纂をおこない、明治28年に原稿が完成しました。3誌の編纂監督には田中芳男がつき、『捕採誌』は金田帰逸、竹中邦香、中村利吉が、『水産製品誌』には山本由方、河原田盛美が、『有用水産誌』には加藤正韻、柏原忠吉が、それぞれ編纂員としてあたりました。たいへん貴重な資料が完成したものの、水産局の経済的事情により原稿完成時に公刊することはできませんでした。明治40年代になってやっと、水産書院が農商務省の許可を得て、自社の刊行物『水産文庫』に順次分載することになりましたが、残念ながら『日本有用水産誌』は水産書院からも刊行されることはありませんでした。
 『日本水産捕採誌』は、編纂当時日本に現存した全国の漁具漁法について、その特徴を、できるだけ漁具の構造操作の方法を掲載して、まとめたものです。全国各地の現物の調査、古書から当時最新の書物までの幅広い文献の調査などをもとにしています。漁具漁法を、「第一編網罟」「第二編釣漁業」「第三編特殊漁業」の3編に分けて編集し、漁具や漁法の絵も掲載しています。
 水産書院の『水産文庫』には明治43年から大正元年までの間に8回掲載されました。本資料はその合本です。なお、大正元年十月に水産社から『日本水産捕採誌全』が刊行されました。