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水産図解
藤川三渓著,井上神港堂,1889(明治22)年,上下巻(40,30丁),27cm


 和装本。上巻には淡水産81種、鹹(かん)水産157種、下巻には海獣部18種、介貝部168種、海草部24種が収録されている明治時代の水産生物の図鑑です。上段に生物の名称、中段に生物の図、下段に形態や生態、利用法などの解説があります。
 著者の藤川三渓は、高松藩の医者の家に生まれ自身も医者でしたが、長崎に留学し兵学や捕鯨学などを学びました。幕末には農民兵による「竜虎隊」を作り、勤王派として活躍しました。明治時代になってからは、「開洋社」という水産会社を設立し、また晩年には公立水産教育機関(東京農林学校水産簡易科)に先駆けて、日本最初の私立水産教育機関「大日本水産学校」を創立するなど、漁業の振興に尽力しました。


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