中央水研ニュースNo.27(2001...平成13年11月発行)掲載

【研究調整】
我が国周辺水域資源調査等推進対策委託事業関連諸会議の概要
坂本 久雄

平成13年度中央ブロック卵・稚仔,プランクトン調査研究担当者協議会
 7月16日9時~12時にかけて26機関42名の出席によって開催した。本会は最近の卵,稚仔量の評価を行 うことが目的である。議題は2000年夏季~2001年春季までの主要魚類の産卵と稚仔分布の報告及び2001 年冬春季の主要魚類の産卵と稚仔分布についての総括であった。我が国太平洋岸のマイワシの2000年10 月~2001年3月の産卵状況は前年同期の約2倍であった。カタクチイワシの2001年1月~3月の産卵は前年 同期の約0.1倍,サバ属の2001年2月~3月は前年同期の約0.4倍,ウルメイワシの2001年1月~3月は前年 同期の約1.7倍であったことが確認された。

平成13年度中央ブロック海洋構造変動パターン解析技術開発試験事業第1回地域検討会
 7月16日9時~12時にかけて15機関22名の出席によって開催した。本会はドップラー流速計,衛星画像 情報から海洋構造を把握する技術開発の検討を行うことが目的である。議題は平成13年の調査経過報告 ,データの収集・処理等,平成9~13年度の取りまとめの方針,平成14~17年度の事業展開の方向性等 についてであった。各県からADCPによる観測結果及び海洋調査結果との検証,問題点,人工衛星画像解 析からの海洋構造把握等に関する報告があった。水産庁より,9~13年の取りまとめは14年9月を目処に 事業報告書を水産庁で作成する。書式は9月に各県へ提示,12月に依頼する予定。本事業は14年度以降 17年度まで継続する。技術開発を目的とする。後継事業案は12月の第2回検討会までに決定するとの説 明あり,これらのことについて協議が行われた。

平成13年度第1回太平洋アジ,サバ,イワシ類等長期漁海況予報会議
 7月16日13時~17日17時にかけて31機関82名の出席によって開催した。議題は平成13年7月~12月の期 間における薩南海域~常磐海域及び東北海域の海況予報と太平洋系群のマサバ,ゴマサバ,マアジ,マ イワシ,カタクチイワシ,ウルメイワシの漁況予報作成であった。はじめに,全体会議で海況及び漁況 の経過と予報文案の提案が行われた。
その後,マアジ・サバ,イワシ類及び海況の三分科会に分かれ検討が行われた。検討結果を踏まえて 修正された予報文案が再度全体会議において提案され,採択された。予報の概要は,黒潮流型:C型基調で 推移する。太平洋側への来遊量は,サバ類:東北海域で前年を上回るが,他の海域は下回る。マアジ: 高水準で推移する。マイワシ:低水準で推移する。カタクチイワシ:潮岬以西では前年を下回るが, 以東では上回る。ウルメイワシ:前年を下回る。

平成13年度第1回中央ブロック資源評価会議および資源評価調査担当者会議
 7月18日9時~14時にかけて29機関63名の出席によって開催した。議題は平成13年度各評価群別資源評 価,資源評価票と同ダイジェスト版およびブロック報告書のとりまとめ,今後の資源評価調査について であった。資源評価は外部委員に東京水産大学北原武教授,遠洋水研平松一彦室長をお願いして実施し た。各魚種の資源水準は,マサバ太平洋系群:低水準,ゴマサバ太平洋系群:中位・横ばい傾向,マア ジ太平洋系群:高水準・横ばい傾向,マイワシ太平洋系群:低水準・減少傾向,ブリ太平洋系群:高水 準・増加傾向,カタクチイワシ太平洋系群:高水準・横ばい傾向,ウルメイワシ太平洋系群:中水準・ 横ばい傾向,ヤリイカ太平洋南部系群:低位・横ばい傾向,ニギス太平洋中・南部系群:低位・減少傾 向と評価された。

資源評価調査担当者会議
 7月18日14時~15時にかけて29機関63名の出席によって開催した。議題は今後の資源評価調査,FRESCO (我が国周辺漁業資源調査情報システム)の説明であった。資源評価調査のサンプル分析・外注作業の 進捗状況について時村研究開発官より説明があった。漁業情報サービスセンターの小坂参与からFRESCO について,FRESCO1は昨年度新システムを構築し,現在使用できる状態にあるので利用してほしい。 FRESCO2の新システムには幾つかの問題があり,今年度に改修する予定であるとの報告,説明があった。

(黒潮研究部黒潮調査研究官)


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