第21回低・未利用資源有効利用研究連絡会(旧カタクチイワシ勉強会)を開催

 第21回低・未利用資源有効利用研究連絡会は,平成27年1月20日(火)に広島県江田島市において開催されました。出席者は、広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター、香川県水産試験場、長崎県総合水産試験場、鹿児島県水産技術開発センター、農林水産・食品産業技術振興協会、有馬屋水産株式会社、広島水産株式会社、白地水産株式会社、水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所から13名が参加しました。

 広島のカタクチイワシ(コイワシ)の有効利用について話し合いました。白地水産(株)では広島の伝統的な「いわし船引網漁」(写真1)でコイワシを漁獲し、それをチリメンに加工し(写真2-4)、その販売までを一貫して行っています。かつては江田島のチリメンの評価は低いものでしたが、現在では築地で最高値をつけるまでになり、それに至ったこれまでの取り組みが紹介されました。一方で、脂の乗ったコイワシが漁獲されると、チリメンの原料にならないため、頭を悩ましてきました。船引網中で蓄養させるなど、いろいろな取り組みにチャレンジしてきましたが、未だにベストな解決策がありません。現在は、人手でドレスに加工して、バラ凍結し、中間素材として出荷しています。ドレス加工の作業を機械化できれば収益もアップするのですが、広島のコイワシのサイズが約10cmと太平洋のカタクチイワシより小型で、使用できるフィレマシンがありません。コイワシが使えるフィレマシンの開発が要望されました。

*:ドレスとは、頭と内臓を取り除いた魚の加工形態です
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写真1.いわし船引網漁
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写真2.自動チリメン加熱機
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写真3.チリメン製品
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写真4.異物検査