第18回低・未利用資源有効利用研究連絡会(旧カタクチイワシ勉強会)を開催

 第18回低・未利用資源有効利用研究連絡会は,平成25年11月12日(火)に熊本県天草市において開催されました。国内でも最大級の雑節工場(市山水産)を訪問し、未利用資源の利用方法について話し合いました。出席者は、東北大学、東京海洋大学、鹿児島県水産技術開発センター、長崎県総合水産試験場、西海区水産研究所、日清丸紅飼料株式会社、など11名が参加しました。

 市山水産は15種類の魚の節を製造し、年間生産量は1300tです。市山水産が取り組んでいる事例を紹介します。

1.食品表示の規定が改正され、節類は頭を落とした無頭であると定義されたことから、原料魚の頭を落とす必要に迫られました。原料魚の頭を落とす魚体処理の工程は人手で行われるので、原料魚のサイズが小さいと魚体処理に時間がかかります。そのため、今まで小型サバを積極的には利用しませんでした。しかし、原料不足等の理由から小型サバも利用することと方針を改め、その対策として魚体処理の工程を自動化しました。すなわち、魚のサイズを分ける魚体選別機と頭を落とすヘッドカッターを連結したラインを取り入れ、魚体処理のコストを抑えました。

2.工場内は常にクリーンを心がけ、虫や動物の排除は勿論のこと、保管施設ではオゾンを発生させて品質管理を行っています。また、節の品質と使われ方は脂肪含量で異なるため、製造された節を脂肪の多さによってランク分けして出荷することにより、品質基準を保っています。

3.魚体処理の残滓や節製品から出た廃棄物は、だし原料、肥料・飼料原料として出荷して廃棄をゼロにしています。

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写真1.焼津型燻製機(横型炉)への雑木の投入
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写真2.炉から出して放冷中の雑節
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写真3.現在ではプラスチック製の蒸篭を使用