March 18, 2020
下関外海地区地域水産業再生委員会（山口県）
概要
当地域では、中核的な漁業者を中心として、ひじき養殖の共同経営、サワラ曳き縄釣りの共同操業や、朝市の実施などの流通販売面の取り組みを進め、漁業所得の向上に努めている。現在の取り組みを振り返り、より良いものへと改善するため、浜の道具箱を用いたワークショップを実施し、地域でおこなわれている取り組み、課題、そして、改善策を検討した。
効果
浜の道具箱を用いたワークショップによって、漁業者グループや地区における漁業の現状を知ることができた。また、ワークショップによる意見交換を通じて、他の漁業者の取り組みや意見を知るきっかけとなった。さらにワークショップで収集された漁業者の意見から、「鮮度保持技術の向上」、「共同出荷」、「共同加工」、「魚礁の設置」など、地域内で共通する改善策のニーズが明らかとなった。そして、これらの改善策は、2019年4月に改訂された当地域における浜プランの新たな基本方針に追加された。
出典
● Takemura, S., Makino, M., Tajima, H., Miyoshi, H., Saito, H., Yamane, T., Mukai, S. (2019) Fisheries management toolbox: A fishers’ self-assessment scheme to identify visions and next actions toward sustainable development of coastal communities. 2019 IMBeR Open Science Conference, Brest, France.
● 竹村紫苑・牧野光琢・但馬英知 (2020)漁業関係者による沿岸漁業管理の自己評価ツール「浜の道具箱」―山口県下関外海地区における浜プラン改善への適用―.地域漁業研究. 60(3):125-136.
● 下関外海地区地域水産業再生委員会 (2019) 浜の活力再生プラン
https://www.jfa.maff.go.jp/j/bousai/hamaplan/attach/pdf/28.yamaguchi/ID1228006_shimonoseki_sotoumi.pdf
