生物特性研究室 (アワビ,サザエ,海洋細菌)
1.アワビの消化酵素・成熟を研究
海にすむアワビ類を増やすための基礎研究として、クロアワビが持つ消化酵素の特性とそれらの酵素がいつ頃から作られ始めるか分子生物学的手法を用いて調べています。また、黒潮域にすむアワビ類の成熟について温度の影響がどのように現れるか、周年を通じて組織学的に成熟具合を調べる方法を研究しています。

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クロアワビ消化酵素の特性
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アワビ卵巣の組織切片(成熟期)
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2.海洋酸性化の研究
人類が二酸化炭素を大量に排出することによって、海の酸性度が上がる(=pH低下)海洋酸性化が生物や生態系に及ぼす影響が懸念されています。そこで、実験的に将来起こりうる酸性度を高めた海水で飼育し、サザエ、アワビなど炭酸カルシウムの殻を持つ生物を中心に、どのような影響があるかどうかを研究しています。

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高精度で海水中CO2濃度を調整する実験装置
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サザエでの実験
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3.海洋細菌の研究
海中には非常に多くの細菌が生息し、海の生態系の一つとして重要な役割を果たしていると考えられています。しかし、それらの機能の大部分が未解明であり、未知の細菌も多く存在するため、海洋細菌の中には有用な機能を有する細菌がたくさん眠っている可能性が考えられます。そこで、バイオマスエネルギーを作るために有効な細菌やアワビ類など海藻を食べる生物の消化管に生息して海藻の分解を助ける細菌、アワビ類幼生の餌となる粘液状物質を作る細菌について研究しています。

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細菌によって作られた粘液を食べるクロアワビ着底初期稚貝
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