渓流域のゾーニング管理 | |
研究課題名:渓流域管理体制構築事業(水産庁) 実施年度::平成15~19年度 |
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内水面研究部 生態系保全研究室 中村 智幸 |
イワナやヤマメは川の上流に生息し、釣りの対象として人気があります。また、これら渓流魚は山間地の良好な自然環境の指標として関心の高い魚でもあります。渓流魚については、生息数を増やすだけでなく、それぞれの川にもともと生息していた天然魚を守ることが期待されています。そこで、渓流魚の増殖と保全、そして利用のための管理方法を研究しました。
写真1.イワナ
渓流魚の生態、釣り人・漁業協同組合・一般の人たちのニーズ、渓流魚に関係する法律や規則を調べ、より現実的な管理方法を検討しました。
「天然魚の保護(遺伝的多様性の保全)」、「釣り人に喜ばれる釣り場作り」、「漁協の経営安定」を実現するための「ゾーニング管理」という方法を考案しました(図1)。
ゾーニング管理の理念や方法を説明したパンフレットを作成して全国の漁協に配布し、本を出版して多くの釣り人に読んでいただいたところ、各地でゾーニング管理が始まりました。
川の環境や魚の生息状況、釣り人のニーズ、漁協の価値観などを総合して、みんなで相談しながらそれぞれの川に合った管理のスタイルを決めていくことが重要です。