研究のうごき、6-22

マグロの遺伝子を調べる


  1. 健康志向の高まりにより世界的にマグロ類の需要が増加し,各海域で資源量の減少が指摘されている。そのためマグロ類の養殖に注目が集まっている。
  2. マグロ養殖においては種苗の疾病や衝突死などが問題となっている。これらの問題を解決するため,遺伝子情報を活用した新しい育種技術の開発が望まれている。
  3. これまでマグロ類の遺伝子情報は世界的にもほとんど調べられていない。そこで,マグロの遺伝子情報を得るための材料となる遺伝子ライブラリーの作製を目的とした。


  1. クロマグロからDNAを取り出す方法について検討し,遺伝子ライブラリーの作製に適した高分子量DNAを血液サンプルから取り出すことができた( 図1)。
  2. このDNA を材料とし,クロマグロDNA 断片を約158,000本(1本あたり平均約37,000塩基対の長さ)含んでいる遺伝子ライブラリ-を作製した(図2)。
  3. このライブラリーが含むDNA 量は,クロマグロが持つ全遺伝子情報の約7.4倍に相当することが計算により推定された。
図1.クロマグロ血液から得たDNA
(M,DNA サイズマーカー)
図2.遺伝子ライブラリーの挿入DNA 断片例
(M,DNA サイズマーカー)


  1. 今回作製した遺伝子ライブラリーは,クロマグロの遺伝子情報を調べるための重要な研究材料として活用できる。
  2. 育種に有用な遺伝子を取り出して調べることが可能となり,遺伝子情報を活用したマグロ育種技術の開発を進めることができる。
  3. 開発された研究材料や技術を活用することにより,従来に比べて効率的な育種が可能となり,将来的に高品質な養殖マグロの生産に貢献できる。