研究のうごき、6-12

サザエはどのくらいヒジキを食べているか?


 日本周辺の藻場のうちホンダワラ類の海藻が繁茂するガラモ場は約1/4を占めていますが,ガラモ場がどのように重要水産生物に利用されているかは明確になっていません。本研究ではサザエの食性や成長を調べ,ホンダワラ類海藻の餌生物としての評価を進めています。


 相模湾のガラモ場(水深8m)で採集されたサザエ(殻高100mm)の消化管内容物について,PCR-DGGE 法(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)を用いて同じ働きをする遺伝子同士のわずかな違いを分離しその配列を調べました。その結果,サザエがよく食べるカジメだけでなくホンダワラ類由来と考えられるDNAが約1/4の個体で確認され,天然のサザエがホンダワラ類を餌としていることが確認されました。

16個体の天然サザエ胃内容物のPCR-DGGE 法による生物種の分離。18SrDNA の塩基配列の違いを検出。赤いバンドの位置がホンダワラ類,青のバンドがカジメ,黄色のバンドがサザエ由来のDNAを示している。


 天然藻場の産業上重要種への役割を明確にし,藻場資源を守ることの経済的意義を明確にします。また,食べられた餌が原型をとどめていなくとも,PCR-DGGE 法により対象生物が天然で何を食べているかを効率的に明らかにすることができます。