研究のうごき、6-10

ベイズ型VPAを用いた資源量推定


 水産分野においてもベイズ統計学が導入されつつあるが,非常に多くのパラメータを同時推定するような大雑把な段階である。漁獲尾数から資源尾数を推定するVPA(コホート解析)モデルにベイズ統計学手法を適用することによって,一般的な資源解析手法への適用を検討する。


  1. マアジ太平洋系群の漁獲データに,年齢別漁獲率における選択率を一定と仮定したSVPA モデルをベイズ統計学の手法を用いて適用し,資源尾数を推定した。従来のVPA では漁獲率が大きく変動するという弱点があったが,SVPA を用いることによって漁獲率は安定し,しかも従来のVPA と同じような推定値を得ることができた。
  2. 計算は表計算ソフトの一様乱数を用いて行ったが,1000回程度の試行段階では大きな偏りは生じなかった。

図1. ベイズ型VPA を用いて推定したマアジ太平洋系群の資源尾数(実線).破線は従来のVPA.


 不良設定問題やデータの条件が悪くて,従来の最適化法ではパラメータの推定値がなかなか収束しないようなモデルについても,広く適用可能である。