研究のうごき、6-02

海況予測モデルの安定運用と予測精度の改良


  1. 漁海況予測と資源量推定の精度向上を目指して,我が国周辺太平洋域の海況を高精度に予測するシステム(FRA-JCOPE) を2007年4月から運用している.
  2. 黒潮続流域は時空間変動が大きく,運用開始時の海況予測モデルでは予測のみならず,過去の海洋構造を表現す ることも困難であった.
  3. 黒潮続流域は水産資源の再生産に重要な海域であり,水産資源の将来動向や資源量推定を正確に行うためにも, 海況予測モデルの精度向上が求められている.


  1. FRA-JCOPE 公開ホームページへのアクセス数が多いときで約2万8千件に達した(図1).
  2. 海況予測モデルのデータ同化計算時に基準となる海面高度場を改良・調整を行うことにより,適切に海面高度偏 差として数値モデル内に導入することが可能となった(図2).
  3. 改良された海況予測モデルを使用することにより,黒潮および黒潮続流域における予測・再現性の精度を飛躍的 に向上させることができた.
図1.FRA-JCOPE公開サーバーへのアクセス数
図2.黒潮続流域における黒潮流軸図.観測値(黒線),モデル改良前(青線)と改良後(赤線)


  1. 長期漁海況予報,地先の海況変動解析,イワシやアジ等の資源変動要因解析に用いられる資料として利活用され ることが期待できる.
  2. 精度が向上した海流や水温の予測情報を用いることにより,大型クラゲをはじめとする有害生物等の出現予測を 実施でき,我が国周辺海域における漁業被害防除に役立つ.