マイクロバブルで
魚に快適な環境を!
背景と目的
 平成16年10月23日,中越地震がニシキゴイのふるさとを襲い,その養殖生産は大打撃を被った。これに対する復興支援の一環として,新しい技術を導入した新養殖システム開発研究が行われている。
 本研究では,今日,優れた水質浄化機能が期待されているマイクロバブルと呼ばれる超微細気泡に着目し,その具体的な飼育水質改善効果を調べた。

成  果

  1. 二種類のマイクロバブル発生装置(専用タイプ(M)及び液泡併用タイプ(ML)),または,通常曝気装置(A)を導入したニシキゴイ飼育水槽において(図1),DO,pH,COD,りん酸,アンモニア,亜硝酸および硝酸を10週間測定した。
  2. ろ過槽へのマイクロバブル導入により,アンモニア(NH3-N)の上昇が抑えられ,亜硝酸(NO2-N)と共に,低下が早まること明らかとなった(図2)。
  3. 上記1の多項目から水質を総合的に評価すると,通常曝気装置のみを設置したNo.4 (対照区)において悪化が最も激しく,マイクロバブル発生装置を二種類とも設置した水槽No.1において最も良好に維持された。
※ 本研究では,(有)バブルタンク(宇部市)製の 2種類のマイクロバブル発生装置F.BT-50及びBT-50を使用した。

図1.実験水槽とマイクロバブル(超微細気泡)発生装置の設置の方法

図2.アンモニア(NH3-N)および亜硝酸(NO2-N)の水中濃度変化

波及効果
 マイクロバブルはDO,pHの低下に対して抑制的に作用するとともに,硝化過程を促進すること等によって水質を良好に維持することが明らかとなり,高品質のニシキゴイ養殖生産への活用が期待される。
協力機関: 日本大学,新潟県内水面水産試験場
問い合わせ先: 内水面研究部(日光庁舎) 育成生理研究室(東)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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