本邦産大型アワビ類の
類縁関係と生態
背景と目的
  1. わが国周辺のアワビ類資源は,1970年代以降で顕著な減少傾向にある。
  2. 邦産大型アワビ類4種では,エゾアワビと暖流系アワビ類(クロアワビ,マダカアワビ,メガイアワビ)で地理的分布が異なり,また暖流系アワビ類3種については,分布水深が異なることが知られている。
  3. 効果的な資源増殖を図るためには,種の生態学的特性に応じた方策を講じる必要がある。

成  果

図1.ミトコンドリアDNAの全長解析結果から計算されたアワビ類の系統関係
  1. ミトコンドリアDNAの全長にわたる解析では、国内産4種の内,クロアワビ,マダカアワビ,エゾアワビ3種は極めて近縁であり,特にクロアワビとマダカアワビが最も近いことが示された(図1)。
  2. クロアワビとマダカアワビの分布水深は異なるが、種苗放流により神奈川県の長井沿岸では,両種のハイブリッド(雑種)と考えられる個体が多く出現した(図2)。
図2. 神奈川県長井沿岸2箇所に出現した浮遊幼生の種組成
(D, クロアワビ; M,マダカアワヒ; H,D×Mハイブリッド; G,メガイアワビ)

波及効果

  1. クロアワビとマダカアワビは容易に交雑するので,放流場所の選定等は慎重に行うべきである。
  2. アワビ類4種については,浮遊幼生以降の個体レベルで種の判別が可能となった。今後は発生段階による種毎の分布特性を明らかにし,種の特性に応じた管理方策を立てる必要がある。
問い合わせ先: 浅海増殖部 資源増殖研究室(堀井)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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