カタクチイワシ加工の
自動処理へのチャレンジ
-どうすれば魚の頭を揃えられるか?-
背景と目的
 カタクチイワシの資源は安定しているが,その利用技術が伴わないために魚価は低迷し,漁獲量も伸び悩んでいる。この影響で,魚価の高い他の浮魚類が多く漁獲され,マサバ等の資源回復にも悪影響を及ぼしている。このため,魚種の交代に対応できる魚の新しい加工技術が望まれている。
 カタクチイワシで加工の自動化が遅れている理由の一つは、魚体が小さいことにある。スケトウダラなどの魚を自動的に加工処理する場合は、一次処理の前段階で魚体を整列させる必要があり,これを「搬送トラフ」と呼ばれる装置で行う。カタクチイワシの場合,整列させること自体が難しく,技術開発が遅れている。そこで,自動処理化の手始めとして,頭を揃える技術の開発をめざす。

成  果
 搬送トラフとは,一定幅の細長い底面を有し,これを前後に往復振動させて魚体を前に移動させる装置である。通常の魚では,この装置で頭揃えが可能となるが,カタクチイワシの場合は不可能であった。 そこで,この装置に前後方向の開口幅がカタクチイワシの尾部の長さに等しい落下口を設け,その上方に落下口に向かって流体を噴射する装置を設置した。
 魚体が搬送トラフの中を動く中で,上方からエアによる噴流圧をかける。この時,尾部が前方に向けているカタクチイワシの場合には落下口から下方にたわみ,前進移動にしたがって落下口の前端縁に沿って落下し排除できる。以上の装置から,魚体の頭揃えが初めて可能となった。

搬送トラフの側面図

頭揃え機の正面写真

図1.落下口上で尾部をエア噴流圧により、たわました状態。  図2.尾部が落下口の前端縁下面に接した状態。
図3.尾部が落下口から下方に移動している状態。  図4.尾部から胴部に向かって落下口から滑り落ちる状態。  図5.落下直前の状態。
波及効果
 カタクチイワシの魚体処理が自動化できれば,水産加工において大量処理が可能になるとともに,現在、人手不足の現場で省力化が可能となることが期待される。また,船上での加工処理が可能となれば,鮮度保持や新製品などの開発も期待できる。(現在,特許申請中)
協力機関: 東洋水産機械株式会社
問い合わせ先: 利用加工部 食品バイオテクノロジー研究室(石田)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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