データ記録型タグを
用いてブリの回遊生態を
明らかにする
背景と目的
 近年,魚類の回遊生態を明らかにするために,小型で,内部に時計・照度計・水温計・水深計と記録メモリを装備しているデータ記録型のタグ(アーカイバルタグ)がよく用いられている(図1)。本研究では,太平洋沿岸におけるブリの漁況予測技術向上を目指し,アーカイバルタグを用いてブリの回遊生態の解明に取り組んでいる。
図1.アーカイバルタグ

成  果
  1. 2005年3月に熊野灘で放流した成魚では,夏から冬までを遠州灘から熊野灘で過ごし,2月から5月頃に四国沖から薩南にかけての海域で産卵を行い,夏にはまた元の海域に戻る回遊群の存在が明らかとなった(図2)。かつて存在したと言われている東北沖から熊野灘を回遊する個体は,まだ見いだされていない。
  2. 熊野灘で放流した未成魚は大きな移動をしなかったことから,成魚になった後に上記の回遊を行うようになると考えられる。しかし,移動せずに熊野灘で最初の産卵を行い,その次の年から回遊を行う個体も存在する。

図2.2005年3月に放流したブリ成魚の推定回遊経路(経度)

波及効果

  1. ブリの成長段階別来遊量及び来遊時期の予測技術向上。
  2. ブリの長期的な漁況変動の予測技術向上。
  3. ブリの漁況予測技術の向上による漁業経営の安定化。

協力機関:三重県科学技術振興センター水産研究部,高知県水産試験場,宮崎県水産試験場
問い合わせ先: 資源評価部 生態特性研究室(阪地)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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