研究の動き
クロアワビとマダカアワビの交配種の貝殻はどちらに似るか?
図1
図1. 判別分析を用いた貝殻形態の判別結果
(D,クロアワビ;M,マダカアワビ;Hb,交配種)
背景と目的
 暖流系の大型アワビ類であるクロアワビとマダカアワビは遺伝学的に近縁で,交配も可能である。また,天然海域においても遺伝的に両種の交配個体と考えられるものが存在する。
 そこで,両種の類縁関係を明らかにするため,クロアワビ(D),マダカアワビ(M)および両者の交配種(Hb)を親とした交配実験を行い,発生した個体の貝殻形態(殻長,殻幅,呼水孔位置等)を計測し判別分析により調べた。
成 果
  1. いずれの交配区から発生した場合も,クロアワビとマダカアワビの中間型となる個体は少なく,いずれか一方に相似した貝殻形態となることがわかった(図1)。
  2. クロアワビ型の占める比率は,D×M,M×D,D×Hb,M×Hb,Hb×Hb でそれぞれ36±6%,49±8%,83±7%,10±4%,36±6%であり,親の由来に相応した貝殻形態を示した(図2)。
  3. クロアワビとマダカアワビでは,貝殻の形態のみで両者の純系および交配種を識別することは困難である
図2
図2. 交配実験区毎の貝殻形態組成
波及効果
 クロアワビおよびマダカアワビの種苗生産を行う場合,親貝の識別には貝殻形態だけではなく,遺伝学的な解析手法を導入する必要がある。
協力機関:長崎県総合水産試験場,瀬戸内海区水産研究所
問い合わせ先:浅海増殖部 資源増殖研究室(堀井)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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