研究の動き
藻場と磯焼け域におけるアイゴの食性及び成長の違い
図1
図1 アイゴ筋肉及びの胃内容物から採集された餌生物の安定同位体比(δ13C-δ15N)マップ

筋肉の安定同位体比は食べていたものの同位体比と関連するので食物源の推定に用いることができる

図2
図2 アイゴの年齢と体長の関係
(年齢起算日:7月1日)

背景と目的
近年,磯焼け「藻場の消失」との関係で,アイゴ等植食性(主に海藻を食べる)魚類による海藻の食害が注目されている。そこで藻場と磯焼け域でのアイゴの食性を比較するとともに,両海域における年齢-成長関係を調べた。
成 果
  1. 神奈川県長井(藻場)と静岡県御前崎(磯やけ域)で採集されたアイゴ成魚の消化管内容物は,12月を除き海藻類が63~98%を占め、他に少量ではあるが,ヒドロ虫,ヨコエビ,ワレカラなどの葉上動物が見られた。
  2. 餌としての海藻の重要性を調べるため,アイゴ筋肉の炭素及び窒素安定同位体比を調べたところ,食物としてヒドロ虫などの葉上動物が重要であることが示され,藻場のアイゴの方がより多く動物を食べていたと推定された。
  3. 長井、御前崎、館山の各水域における年齢と体長の関係を求めて,各海域間で比較したところ,2+,5+,6+において,いずれも長井のアイゴの体長が他の海域より有意に大きかった。
波及効果
  1. アイゴの植食行動が葉上動物の摂食を目的としたものである可能性が示された。
  2. 年齢-成長関係式が明らかになり、地先のアイゴ資源量評価の精度向上が期待される。
問い合わせ先:浅海増殖部 資源増殖研究室(柴田)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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