- 背景と目的
- 魚貝類などの海洋生物にはドコサヘキサエン酸やイコサペンタエン酸などの生理機能を有するn-3高度不飽和脂肪酸が含まれることが明らかとなっている。特に,表層の魚類に関しては,中小型魚から大型魚まで詳細に明らかにされている。ところが,海藻については,食用として利用されているものも,未利用のものも,それらの化学成分の研究はあまり進んでいない。
- 食品となっている海藻の機能成分を明らかにし,それらの有用性を示す。また,未利用海藻の成分を明らかにし,新たな有用天然物の発見につなげる。本研究では,脂質成分に着目し,海藻中の有用脂肪酸について検討した。
- 成 果
- 食用海藻の中で,褐藻類オキナワモズクの脂質成分を検討した。オキナワモズクは,沖縄県で養殖され,全国に出荷され広く消費されているが,有する化学成分,特に脂質成分についてはあまり明らかになっていない。本研究で,脂質含量は低いものの,脂質中に高い比率で,イコサペンタエン酸やアラキドン酸を含むことを見出した。
- 波及効果
- さらに,他の褐藻類や紅藻類を検討することにより,高い濃度の有用脂肪酸を見出す可能性が示唆された。
- 食用であるオキナワモズク中に有用な脂質成分を見出したことにより,オキナワモズクの消費拡大につながる。
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