研究の動き
海藻分解菌AR06株の海藻分解酵素の解析
背景と目的
 近年地球温暖化の原因である二酸化炭素の削減のために,再生可能な生物資源(バイオマス)の利用に関心が高まっている。ワカメ,コンブをはじめとする海藻バイオマスは成長も速く二酸化炭素吸収能も優れていると考えられている。また,海藻類はオリゴ糖などの健康によい成分を持つことから注目を集めているが,主成分は難分解性であり,バイオマスとしての利用や食品利用において困難な面を持っている。微生物の酵素を用いて海藻を分解することにより,食品やエネルギーとして効率的に利用することを目的とする。
成 果
  1. 本研究室で分離され,高い分解能力を持つ海藻分解菌AR06株の持つ海藻分解酵素遺伝子を取得した。
  2. コンブ,ワカメ等の褐藻類の主成分であるアルギン酸を分解する酵素(アルギン酸リアーゼ)の遺伝子を取得した。
  3. テングサなどの紅藻類の主成分である寒天を分解する酵素(アガラーゼ)の遺伝子を取得した。
図1A 図1B
図1.AR06株による寒天とアルギン酸の分解
 A:人工海水寒天平板ではアガラーゼによる寒天分解がヨウ素発色法により色が抜けることで確認できる。
 B:アルギン酸含有人工海水平板ではアルギン酸リアーゼによるアルギン酸分解が塩化セチルピリジニウムによって透明化部分に確認できる。
図2.取得分解酵素遺伝子
 A:アルギン酸リアーゼ遺伝子の大きさと向きを点線矢印で示す。
 B:アガラーゼ遺伝子の大きさと向きを点線矢印で示す。EcoRI,HindIIIはそれぞれ制限酵素部位を表す。
図2
波及効果
 微生物の産生する海藻分解酵素で海藻を分解することにより,海藻バイオマスの低分子化が可能になる。分解された海藻バイオマスからの効率的なオリゴ糖の生成や,エネルギーへの利用が可能になる。
問い合せ先:利用加工部 機能評価研究室(松嶋)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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