研究の動き
調査船からのリアルタイムデータ転送・解析システムの開発
背景と目的
 調査航海の効率化のため,複数の調査船で得られた水温情報や観測情報をリアルタイムで陸上の研究施設に転送し,調査に参加できない陸上の研究者や,他の船に乗っている複数の研究者が,直接データを解析できるシステムを構築する。
 水温情報等については,自動解析システムの開発を行い,解析結果を画像イメージ等の形で調査船に送り返すことで,効率的な調査船配置やデータ取得が可能となる。平成17年度は,陸と船との間での通信実験を複数船間で行ない,これまでに開発した陸船間データ共有システムの実証試験を行うと共に,計量魚探データの転送に向けた準備を行った。
図1
図1.俊鷹丸若鷹丸の航跡
成 果
  1. 自動通報システム(TESAC)の運用試験を継続した結果,300件を超える自動通報を行うことができた。これは自動化によって操作が容易になったため,生物関連調査のデータ通報数が増えたためである。
  2. 陸上サーバーを中継して,複数船の航走データを同期するシステムを構築し,若鷹丸と俊鷹丸に配備した(図1 , http://150.26.52.157)。このサーバーは水研センター内すべての場所から閲覧可能であり,複数船間での航走データの同期が可能であることを確認した。
  3. 計量魚探データを陸船間で同期するシステムとして,反応のない海域や深度のデータを省くことにより,生データの圧縮を行って送信する完全共有システムと,定期的に魚探映像だけを船から陸上に送信し,陸上の専門家が必要と判断した部分だけ,陸上から船にデータ送付要求を送り,船から陸上にデータを返信送付するハイブリッド型共有システムを設計した。
  4. 衛星(ETS-Ⅷ)による利用実験について,既に作成したアンテナを使用した無線局の免許申請に着手した。
波及効果
  1. 水産研究所調査船の調査活動一括管理と,速報データについてリアルタイムの公開が可能となる。
  2. 海洋測器遠隔制御により,調査船の効率的な運行が可能となる。
問い合わせ先: 資源評価部 生態特性研究室(大関)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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