研究の動き
複数種を対象とした動態モデルの構築
背景と目的
 実用的な複数種資源管理を実現する一環として,多獲性浮魚類において複数種の競合関係を中心として,環境変動も考慮した実用的な資源動態モデルを構築する。
 混合率および混合正規分布のパラメータ推定におけるEMアルゴリズムについて数理的に解析し,その収束原理や特性を明らかにする。
成 果
  1. オブジェクト指向手法を用いたIBM型マイワシ生活史モデルと,年齢構成を持ったマサバモデルを組み合わせて複数種モデルを構築した。このモデルに環境変動を考慮したマサバの成長関係式を導入し,両種において資源動態を再現した。
マイワシ資源量(シミュレーション)マサバ資源量(シミュレーション)
  1. 混合率だけを推定する場合には見かけ上の発散現象は生じないことが明らかとなった。しかし混合正規分布においては一部の分散値で発散することがある。これは混合率の総和は常に1となるからである。
  2. EMアルゴリズムと陰関数モデルにおける粟屋法を比較することによって,EMアルゴリズムは正規方程式を解かないため,解の近傍において収束が遅くなることが明らかとなった。
波及効果
  1. 複数種モデルのノウハウは他の魚種にも適応可能なので,資源管理全般において大きく寄与する。
  2. EMアルゴリズムは解の近傍において収束が遅いという欠点があるが,広範囲の数理モデルに適応可能なので,水産分野においても今後活用されるだろう。
問い合わせ先:資源評価部 数理解析研究室(須田)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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