研究の動き
中深層マイクロネクトンの変動様式と表層ネクトンとの相互作用の解明
背景と目的
 春季の黒潮親潮移行域(以下,移行域)では,ハダカイワシ類など中深層性マイクロネクトン(小型遊泳動物)が豊富に分布し,小型浮魚類稚魚との地理分布の重複が明らかになってきた。また,小型浮魚類稚魚とハダカイワシ類は,ともに動物プランクトン食性であるため,餌をめぐる競合が想定されてきた。
 小型浮魚類稚魚と,同時空間に分布するハダカイワシ類など中深層性魚類の種間関係および生態的特徴を解明し,それらの変動様式を解明することを目的とした。
成 果
  1. 2002~2004年の春季における表中層トロールによる小型浮魚類稚魚の採集調査において,ハダカイワシ類全体に対する優占4種の重量比に変動は見られなかった(下図の左)。2002・2003年と比較すると,2004年は熱帯性・亜熱帯性種の出現率が低かった。 
  2. 小型浮魚類稚魚とハダカイワシ類は,どちらもカイアシ類を捕食していたものの,その属・種レベルでは異なっていた(下図の右・矢印が太いほど重要度が高いと考えられる)。現時点では,両者による餌をめぐる競合は当初想定されたほど直接的ではないことが明らかになった。
波及効果
  1. これまで未解明だったハダカイワシ類の個体数動態について明らかにし,移行域における群集構造の理解が進む。
  2. サバ類など小型浮魚類の加入量モデル構築に貢献する。
問い合わせ先:資源評価部 資源動態研究室(西田)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

PDF版へ

研究の動きへ

top中央水産研究所日本語ホームページへ