研究の動き
物理的な攪乱が底生珪藻の組成と
アサリやアワビの餌料環境に及ぼす影響を調べる
背景と目的
 アワビやアサリの資源が全国的に減少しているが,稚貝期の摂餌生態・生息環境に関する知見が少なく,資源回復策検討の妨げとなっている。
 物理的な擾乱が岩礁,砂泥域の底生植物相への影響を通じて,アワビやアサリ稚貝の餌料・生息環境に及ぼす影響を把握する。
成 果
  1. わずか数cm/秒程度の物理的な擾乱強度の違いが,アサリ稚貝の餌料となる底生珪藻の現存量に大きく影響していることが示唆された(図1)。
  2. 波浪等による適度な物理的撹乱が,アワビ類の好適な着底基質となる無節サンゴモの生育を助長することが示唆された。
  3. アワビ稚貝の初期餌料である珪藻類の現存量は,転石のサイズにより異なり,特に大型の転石で少ない傾向が認められた。
図1左図1右
波及効果
  1. 今後,アワビやアサリの生息環境を明らかにするためには,微細な物理環境の研究が必要。
  2. 重要水産種であるアワビ・アサリの資源回復策に資する。
協力研究室:海洋生産部物質循環研究室,浅海増殖部 資源増殖研究室・浅海生態系研究室
問い合わせ先:海洋生産部 低次生産研究室(児玉)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

PDF版へ

研究の動きへ

top中央水産研究所日本語ホームページへ