研究の動き
黒潮内側域,特に土佐湾における動物プランクトン量の季節・経年変化
背景と目的
 黒潮内側域はマイワシなどの浮魚資源の産卵場や成育場として重要であり,特に土佐湾はマイワシの主要な産卵場となっている。
 しかし,黒潮内側域における餌料環境の季節変動や経年変動について不明であり,動物プランクトンなどの餌料が,海洋環境から受ける影響および浮魚の長期的な資源変動へ与える影響を明らかにする必要がある。
成 果
  1. ノルパックネットによる1991年より毎月の採集試料を解析した結果,個体数体積とも4月に動物プランクトンは最も多くなり,その大半はかいあし類であった。
  2. かいあし類現存量は、1996年,1999年および2003年ごろに増加が認められ、その生産量も同様な経年変化を示した(図2)。
  3. 室戸岬や足摺岬沖で黒潮が離岸した時期に,内側域の動物プランクトン量が増加する傾向が認められた。
波及効果
  1. 黒潮内側域における餌料環境特性の基礎的知見となる。
  2. 浮魚類の資源変動におよぼす影響やその関係解明に寄与する。     
図1
図1.3つ子型ノルパックネット
図2
図2.土佐湾湾口部におけるかいあし類体積(mm3・m-3)および生産量(mm3・m-3・日-1)の経年変化
問い合わせ先:海洋生産部 上席研究員(広田)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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