研究の動き
漁業管理の方向性の検討
背景と目的
漁業管理の理念と制度は定着しつつあるが,その目的を明確にするためには何が必要なのか。本研究では,他産業における研究技術開発の多角化方向とその要因把握に基づいて,漁業管理の方向性を検討する。なお,産業連関表の投入側を川上部門,産出側を川下部門と定義した。  
成 果
  1. 1971~2000年代を通じて,多角化のための研究投資割合が高いのは繊維・輸送用機械工業(自動車を除く造船等),低いのは自動車・化学・電気機械工業,割合が高まったのは精密機械・出版印刷・非鉄金属・機械工業・窯業・鉄工業・農林水産業であった。上記期間を通じて,川上方向への多角化は繊維工業が,川下方向へは電気機械工業が高水準を維持していた。
  2. 輸出額が増加した自動車・電気機械工業では多角化のための研究投資割合が低く,産業としては川下に多角化している。輸入額が増加した繊維工業では多角化のための研究投資割合が高く,川上に多角化している(図1図2)。また,「素材開発→製造→消費者要請(製品企画)」という製品開発の流れが逆転し,最終製品を意識した研究技術開発が行われるようになって久しい。
  3. 輸入額が増加してきた水産業においては,川上部門としての漁業管理の必要性が高まっている。その方向性を検討すると,漁業管理は最終製品を作出し提供するための終点の方策であり,最終製品の開発要件を消費者ニーズや社会の要請に基づいて明らかにすることが重要であるとする「漁業管理に関する需要」の明確化が求められている,と位置づけることができる。
図1
図1.業種別輸出入動向と技術の多角化
図2
図2.業種別の多角化の方向
(1971~2000年)
波及効果
 今後の漁業管理のあり方や方向性の検討に役立てることができる。
問い合わせ先:水産経済部 漁業管理研究室(三谷)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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