研究の動き
産地集出荷拠点の配置のあり方について
背景と目的
 近年,漁協合併の進展に伴い,産地市場の統合が進められている。新たに成立した統合市場では,市場取扱量の増加(以下,「荷の集合」)に基づく魚価上昇を見込んだ経営計画を立てているケースが多いが,実際にどの程度の魚価上昇があったのかについては未検討のままである。
 本研究では,「荷の集合」に伴う魚価上昇効果の程度を実証するとともに,それに基づいて 産地集出荷拠点の配置のあり方を検討する。
成 果
  1. 市場統合が魚価に与える効果は,統合される市場(統合する市場よりも魚価が安い)の魚価が,統合する市場の魚価まで上昇する程度に過ぎないことを事例により明らかにした。
  2. 市場統合に加え,高度衛生管理型市場への移行をもってしても,魚価の上昇は困難となっていることを明らかにした(図1)。
  3. 統合市場の収支均衡のためには,拠点型市場よりも集荷コスト(変動費)の分だけ高い年間取扱額が必要となる(図2)。高度衛生管理型市場になると,従来型市場よりも施設の維持管理費用(固定費)の分だけ高い年間取扱額がさらに必要となる。加えて,集荷範囲の拡大や施設整備の高度化を進めるほど高い年間取扱額が必要となる。つまり,市場統合による「荷の集合」に基づく魚価上昇効果に大きく依存する拠点配置方策は行き詰まる可能性が高く,地域水産物の需給実態を反映させた拠点配置が必要である。
図1
図1.高度衛生管理市場への移行が魚価上昇に与える効果
    
図2
図2.統合市場の市場構造
波及効果
 産地集出荷拠点の再配置方策の指針とすることができる。
問い合わせ先:水産経済部 流通システム研究室(三木)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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