研究の動き
漁業は高齢者の就労の場としてどのように評価されているのか?
背景と目的
 水産業・漁村が有する多面的な機能に関して,日本学術会議答申は,「漁業は粗放的で生産性の低い営みであるがゆえに,集約的に営まれる陸上産業にはない高齢者就労機能を備えていると積極的に評価することもできる」としている。
 これは,労働内容が高齢者に適している面もあるとの評価であるが,ここでは漁業者や一般の人々が,高齢就労の場としての漁業をどう評価しているかを明らかにするために研究を行った。
成 果
  1.  65歳以上になった時の職業の好ましさを比較するため,労働内容,労働時間,労働収入という3つの要素にそれぞれ3つの水準を設定した求職案内票を作成し,一般人(回答数200人),漁業者(同30人)を対象としてアンケート調査した。
  2.  コンジョイント分析(好ましさの要因やその程度を数量的に分析する手法)の結果を見ると,3つの要素については(図1),一般人では,労働時間,労働内容,労働収入の順に重視しており,収入よりも余暇を楽しむ高齢者像を理想としていた。
     これに対し漁業者は,労働内容,労働時間,労働収入の順に重視していた。労働時間には平素から比較的拘束されないので,制約に対する認識は比較的希薄であると考えることができる。
  3.  水準毎の好ましさを見ると(図2),一般人・漁業者ともにほぼ同じ傾向を示し,選択させた3つの職業の中では,漁業者,一般人とも漁業が一番上位になった。

波及効果

 多面的機能の定量評価において,コンジョイント分析を適用する際の参考となる。
問い合わせ先:水産経済部 水産政策研究員(富塚)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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