サケ科魚類コルチゾル受容体遺伝子の発現動態の解明

内水面研究部 育成生理研究室
背景・目的
  1. ストレスホルモンの1種であるコルチゾルの血中濃度は魚類ストレス評価の指標になっているが、一過性の上昇なので見逃す可能性がある(図1)。
  2. ストレスの影響が現れるのはコルチゾルが標的細胞の受容体に結合するためであり、受容体の遺伝子量はより的確な指標になると考えられる(図2)。

図1 コルチゾルの血中濃度の変化

図2 コルチゾル受容体の標的細胞DNAへの直接結合の模式図
成果
  1. 水から30秒外に出して、また水に戻し、その後1週間コルチゾル受容体遺伝子の発現量を追跡するという実験を行った(図3)。
  2. リンパ球でのコルチゾル受容体遺伝子3つの中には数時間だけ増えるものとずっと減少してしまうものがあった(図4)。
  3. コルチゾル受容体遺伝子の発現量を調べることにより、血中濃度よりも長期にわたってストレスの経験を把握することができた。
実験:水から出して30秒

水に戻して1週間の追跡調査

図3 実験の概要と様子

図4 コルチゾル受容体遺伝子の発現量の変化
波及効果
  1. ストレスの影響がどのくらいで冷めるのか、より的確な指標として使える。
  2. ストレスを引き起こす要因が特定しやすくなるため、障害や疾病の予防技術の開発に結びつく。
連絡先

  矢田 崇 TEL : 0288-55-0055    

協力機関

  東京大学海洋研究所、オレゴン州立大学 


nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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