クロアワビ肝膵臓からのセルラーゼcDNAのクローニング

浅海増殖部 生物特性研究室

背景・目的
  1. アワビ類の漁獲量はピーク時の6,000トンから2,000トンに減少。
  2. 大規模な人工稚貝を放流しているが、資源の回復に結びついていない。
  3. 幼生が着底してから数ヶ月間の減耗が大きく、その原因として、食性と餌料環境の影響に注目した。
成果
  1. 液体クロマトグラフィーによりクロアワビ肝膵臓からセルラーゼ(分子量64kDa)を精製した(表1)。
  2. クロアワビ肝膵臓cDNAライブラリーからセルラーゼ遺伝子をクローニングし、クロアワビのセルラーゼの存在を明らかにした(図1)。
表1 クロアワビ肝膵臓からのセルラーゼの精製

Purification
step
Total
protein
(mg)
Specific
activity
(units/mg)
Total
activity
(units)
Purification
(fold)
Yield
(%)

Crude enzyme 3190 0.07 226 1.0 100.0
HiPrep 16/10
CM FF
54 0.82 44 11.5 19.5
Resource 25 0.88 22 12.4 9.7


※1unitは1μMの基質を1分間に変化させる酵素量と定義。


図1 セルラーゼcDNAの塩基配列とアミノ酸配列

波及効果

  1. アワビ類の発育段階における消化酵素遺伝子の発現の検出等に利用でき、アワビ類の初期の食性を調査する上で有用な基礎的知見となりうる。
連絡先

  丹羽 健太郎 TEL : 046-856-9374
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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