窒素炭素安定同位体比を指標とした放流ヒラメ種苗の馴致過程の推定

浅海増殖部 浅海生態系研究室
背景・目的
  1. 人工種苗を放流する際、放流場の適否が重要である。人工餌料から天然餌料への速やかな転換を可能とする海域が放流適地といえる。
  2. 食性調査では餌料転換過程の定量的な評価は困難である。
  3. ヒラメ種苗の馴致過程を示す指標として、炭素・窒素安定同位体比の利用の可能性を検討した。
成果
  1. 相模湾の長者ヶ崎、荒崎、城ヶ島に放流した種苗を再捕し、安定同位体比と栄養状態の経時変化を調べた。
  2. 長者ヶ崎での安定同位体比は約2週間後に天然の値に達した(図1)が、他の海域では変化がなかった。
  3. 安定同位体比の単位変化量は、栄養状態と正の相関関係にあった(図2) 。
  4. 以上から、安定同位体比による馴致過程の質的かつ量的な追跡が可能であることが示された。
波及効果
  1. 種苗放流場所の評価が可能になるために適切な放流場所の選択に活用でき、効果的な放流事業への応用が期待できる。

図1 長者ヶ崎における人工ヒラメ種苗の放流後の安定同位体比変化(拡大)



図2 放流後の安定同位体比変化量と栄養状態の関係(拡大)
縦軸(・・SI)は放流後の安定同位体比の1日当たりの変化量

連絡先

  渡部 諭史 TEL : 046-856-9401    

協力機関

  神奈川県水産技術センター


nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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