「公共財供給実験」の結果が意味するもの

水産経済部 漁業管理研究室
背景・目的
  1. 認定協定制度(参加・不参加が自主的に選択できる漁業管理制度)が導入された。自主的な協定による管理が果たして実現可能か?
  2. この疑問に対する回答を導く一つの手段として、公共財の自発的供給実験Saijo et al. (1997)を追試した。
成果
  1. 被験者(学生)が最初に投資への参加・不参加を選択できる実験とした。また、得られる利得の大きさは、表1の投資の組によることとした。
  2. 最初に相手が不参加を表明した場合、ただ乗りする相手に利得を与えないようにするために自分の利得も望まないという選択をする学生が大きな割合を占めた。このため、実験回数が増えるにつれて、最初に参加を表明する割合が急速に増大した(図1)。
  3. この実験における「投資」を漁業管理による「獲り控え」と読み替えると、以下のようになる。最初から自主的管理に参加しない相手には、利得を与えたくない。そのためには自分の利得も減るが、自分も獲り控えしない。これを繰り返すうちに、お互いに得る利得が低水準であるということに気づき、協力の必要性を納得するようになる。つまり、「自主協定による管理は水揚げが極めて落ち込むまでは実現しない」ということになる。
相手の投資 表1 今回の実験で用いた利得表(拡大)
あなたの投資額
01234567891011121314
07068711072129715361775200322102386252326152658264825852470
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2118614651764207223742656291331293297341134653456338532523061
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図1 投資額の選択の組(拡大)
波及効果
  1. 事例研究とあわせ、資源管理計画のあり方についての検討に資することができる。
連絡先

 三谷 卓美 TEL : 045-788-7656
nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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