魚食を中心とする日本型食生活の健康への役割を科学的に証明する
利用加工部 機能評価研究室
背景・目的
1. 我が国では,食生活の欧米化にともない高齢者の脳梗塞,虚血性心臓疾患などの循環器疾患の罹患率が増加。
2. 来たる高齢者社会で健康に老いるために日本型食生活,魚食文化の良さを再認識することが重要。
3. 循環器疾患の予防には血液の性状,特に血液凝固・線溶系を正常に保つことが必要であるが,これらを正常に保つために有効な食事成分はほとんど明らかにされていない。
成果
1. 魚由来高度不飽和脂肪酸の血液凝固抑制作用が血液凝固に関与する因子の低下に由来することを明らかとした。
2. 魚油は血液凝固を抑制するが,固まった血液を溶かす機構(線溶系)にはほとんど影響を与えなかった。
3. 魚のタンパク質は血管壁や血中で形成される血栓を溶かす働き,線溶系を活性化させた。
4. 魚食による脳梗塞,虚血性心臓疾患などの循環器疾患の予防作用は魚油の血液凝固抑制作用と魚タンパク質の線溶系活性化作用の複合的作用であった。
波及効果
日本型食生活,特に魚介藻類の健康への役割を以下の点について世界に向けて発信するとともに,魚介藻類の消費拡大による水産業,水産加工業の振興に寄与する。
1. 食品の機能性は1つの成分にだけ由来するものではなく,食品に含まれるいろいろな機能性成分の複合的作用で初めて発揮される。
2. 日本型食生活は豊富な食素材を組み合わせ,いろいろな調理法で色,形,味を楽しむ文化であり,かつ食品の機能性を有効に発揮させるための日本人の知恵である。
3. その中で魚介藻類は日本人の健康の維持に重要な食素材である。
連絡先
村田昌一

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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