1. | 3次元海洋大循環モデルに格子形成法を適用して東シナ海を中心とした日本周辺海域の高解像度化を図った。陸棚縁辺の前線渦、黒潮分枝流、大陸系冷水の張り出しなど微細な現象を解像できる。 |
2. | 調和解析を利用した潮汐除去法を適用して陸棚上の衛星海面高度場もモデルのデータ同化に利用することで、前項と併せた改良により、黒潮流路については30日先、対馬暖流流量については20日先まで予測可能になった。 |
3. | マアジ仔魚採取調査によると、2001年2月は3mmNL未満の仔魚が黒潮北縁に沿って分布していたが、2002年の2-3月は台湾北東海域に固まって分布していた。モデル流動場による疑似卵放流実験は現場の仔魚分布とほぼ同じ分布様式を再現し(図1)、両年の分布の違いとして、2001年は2002年と異なり、台湾北東海域に正偏差の渦が停滞していたため、黒潮分枝流に乗って北上した卵が時計回りの循環流の影響で黒潮へ引き込まれて速やかに北東方向へ流されたことに一因があると考えられた。 |