二枚貝のインスリン関連ペプチド
生物機能部

研究の背景・目的
  1. 二枚貝類の資源量減少や大量へい死の原因究明、漁場環境の評価には貝の生理状態を知る指標が必要。
  2. ショウジョウバエや線虫の研究で、飢餓・環境悪化への適応、寿命の長短にインスリン関連ペプチド(ヒトなどのインスリンとよく似た構造を持つタンパク質)による代謝活性の調節が重要であることが知られてきた。
  3. 二枚貝類のインスリン関連ペプチドを明らかにし、生理状態を知る指標としての可能性を検討する。
主な研究成果
  1. マガキからインスリン関連ペプチド遺伝子cDNAをクローニングして塩基配列を明らかにし、この遺伝子が内臓神経節(神経細胞が多数集合した器官)の神経細胞で発現していることを明らかにした。
  2. インスリン関連ペプチド遺伝子の発現の季節変化から、成長や成熟が進む春に発現が強く、代謝を活性化させ成長・成熟を順調に進行させる可能性が示された。またカキが疲弊して死亡しやすい夏から初秋は発現が弱く、厳しい環境には代謝を低下させて適応する可能性が示された。
  3. インスリン関連ペプチドの機能について今後詳細な検討を進める。
波及効果
  1. 二枚貝のインスリン関連ペプチドは貝の再生産量の変動や、大量へい死に到る生理変化など、生理状態を知る指標として利用できる可能性がある。
  2. ウイルス病の診断等に必要な貝類細胞の培養に、不可欠の因子である可能性がある。

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